自動車に取り付けて使われていた、ある種の計測装置の一部分です。「Vibracorder」という、わけのわからない名称がついていますが、機能的に言えば時計になります。
本来はもう一つ別の装置(おそらく速度を計測する装置かと思われます)とペアで黒いベークライト製のケースに合わせて収められていたはずですが、別の装置とケースは付属しておらず、時計本体のみの販売となります。
裏側から突き出た棒の先端が時刻合わせのつまみで、裏蓋がゼンマイになっています(反時計方向に回すとゼンマイが巻かれます)。
Ohmer Fare Register Co.はアメリカのメーカーですが、この時計を実際に製造していたのは、かの有名なドイツのKienzle社。正確な年代はわかっておりませんが、おそらく1930~1950年頃のものかと思われます。
外観上、多少のヤレはありますが、精度はすばらしく、10日間稼働させて1分程度しかずれませんでした。電池式の時計からすると「えっ、ずれるの!?」となるかもしれませんが、半世紀以上前の古い機械式の置き時計でこれほど精度が出ている個体はなかなかないでしょう。
なおケースや脚は付いていないため、そのまま置くとコロコロ転がります。ごちゃごちゃしたワークデスクならそのまま転がしておいても絵になるかもしれませんが、通常は両脇になにか物を置くなどして工夫していただきますようお願いいたします。