ニューヨークのクイーンズを走るバスでかつて使われていたロールサイン。現在のバスは日本と同じように電光表示となっていますが、以前は行き先が印刷されたロールがくるくると回って役目を果たしていました。
文字は中央揃えで、短い地名は一行、長い地名は二行で表示。文字サイズはそれぞれで異なりますが、この文字組こそロールサインの一番の見どころとなっております。単調になりすぎず、ほどよくスペースもあり、非常に見応えのある文字組ですが、これがポスターなどとしてデザインされたものではなく、バスの行き先表示という目的で作られたという点に面白みを感じずにはいられません。
近年はダメージまでも再現した安価なレプリカのロールサインが販売されていますが、こちらは実際に使われていたヴィンテージの一点もの。文字や裏面の白い部分は薄っすらと色づき、シワや若干の汚れなども見られますが、汚らしい印象はなく、むしろ実際に使われてきたヴィンテージ特有の風合いとしてお楽しみいただけるでしょう。