Carr Chinaのマグカップ、おそらくご紹介するのはこれが初になるかと思います。繰り返しになりますが、Chinaは中国ではなく、陶磁器という意味の方になりますので。
Carr Chinaは1913年に創業するも、わずか数年で破産してしまいますが、なんとか再建を図り、その後ホテルやレストラン、病院、第二次大戦時には軍向けに食器等の陶磁器製品を数多く供給していたメーカーです。ただ1953年に廃業しているため、コンディションの良いものはなかなか残っておらず、極めて希少なブランドでもあります。
今回入荷したのは、コロンとした半球型にグリーンラインという、オーソドックスな組み合わせのマグカップ。言ってしまえば他のブランドにもありそうな、ありきたりな外観になりますが、そこにこういった珍しいブランドを選ぶというのは、ある意味センスの見せ所にもなるんではないかなと。底のスタンプを見ない限りわからない部分ですけどね。シンプルだけど、他の人とはぜったいにかぶらないメーカーです。
年代を考慮するなら、コンディションは良好と言えるでしょう。小傷や窯傷、底には小さな欠けは見受けられますが、しかし半世紀以上前に作られた、しかも日常的に使われるマグカップが、この程度のダメージで残されているというのは、非常に喜ばしいこと。グリーンラインの食器を集めている方はもちろん、これからアメリカのヴィンテージマグを集めたいという方にも是非オススメしたい一品です。