スペシャルなマグカップ(前編)

スペシャルなマグカップ

スペシャルなマグカップを4つほどご用意してます。その中から今日は2点をアップしました。

一つ目はHomer Laughlin(ホーマー・ラフリン)。写真中央にある貫入だらけのカップです。Homer Laughlinは現存するブランドのため流通量が多く、ヴィンテージの食器の中ではかなり知名度は高いんではないかなと思いますが、こちらは初期の希少な一品になります。

下の写真がバックスタンプになりますが、手元の資料によるとLaughlinの先頭文字「L」の左下のコーナーがくるんとループしていたら1900~1919年の製造、ループしていなかったら1920~1950年代の製造だそうです。しかしちょうどコーナー部分がかすれて消えてしまってるので、最下段にある「59N」の記号が頼り。Homer Laughlinは記号のルールをちょくちょくかえていますが、この並びから判断すると1919年5月の製造ではないかなと思われます。

Homer Laughlinバックスタンプ

ここまで古いアメリカのマグカップは、当店でも扱うのははじめてですが、コンディションは実に良いです。貫入とそこに入るシミが気にならなくもありませんが、ガラス質が薄くなってカサカサという古いマグにありがちなコンディションのものに比べれば、断然綺麗な印象です。

なお口縁部には口紅のあとがうっすらと残っていますが、これには抵抗を感じる方も多いでしょう。ただ個人的にはその逆で、魅力に感じています。ほぼ100年前のマグカップに残る口紅のあと。口紅は持ち手の右側に強く残っているため、持ち主は左手で使っていたのでしょう。

この年代のマグカップが残っているというのは、それなりに大切にされてきた証拠ですが、それ以上にこの傷の少なさは驚きです。価格的には決して安くはありませんが、しかし某ミルクガラスに比べれば。ということで、一年をしめくくる月の自身へのご褒美としていかがでしょうか?
Homer Laughlin(ホーマー・ラフリン)マグカップ

もう一つは左後ろに写っているボーダー入りのマグ。ボーダー入りなんて何も珍しいことはなく、特別感もないように思われるかもしれませんが、緑と赤の2色使い、ボーダーの微妙に開いた間隔、そして持ち手の上の途切れた部分など、かなり特徴的なボーダーデザインとなってます。

ブランド名はIroquois(イロコイ)。1969年までしか続かなかったメーカーのため現存数が少なく、日本での知名度は限りなくゼロに近いかと。年代的には1940~1950年代の一品になります。誰も持っていないヘビーマグをお探しの方はぜひ。
Iroquois(イロコイ)マグカップ